
ピアノ処分の際 搬出困難で買取その他の業者に断られた時の最終手段として ピアノを解体撤去する方法があります。 昨今ではピアノ解体動画の発信も見受けられるので ご自分でチャレンジしてみる方も増えてきたようです。 (危険なのでオススメはしませんが・・・)
ただし 団地マンションなどの共同住宅でピアノ解体を行う際は さらにハードルが上がります。 ピアノ解体撤去だけでも難易度の高い作業ですが 後述する注意点を知らずに行うと問題が多発します。
専門業者依頼をご検討の方 または ご自分でチャレンジをお考えの方も ぜひご一読ください。
これを知らずにピアノ解体は超危険

その1 作業音による騒音問題
解体作業をやってみるとすぐわかるのですが とにかく作業音が爆音です。木製部分や金属を切断する時はもちろん 使用されている大ネジを外したり 共鳴板などをバールでこじったりする時でさえ 耳を塞ぎたくなるような音が発生します。
それでも一戸建てや工事中の物件などは大きな作業音でも許容されることが多いのですが 団地マンションアパートなどの共同住宅では大問題です。 上下左右の隣家からのクレームが必至なので 仮に最後まで解体撤去できたとしても 後々 ご近所との関係が悪化したなどの話が後を絶ちません。
建築解体や大工などの職人さんでさえ ピアノ解体の作業音にまで配慮することは ほぼ皆無です。
少しでも騒音クレーム問題に発展しそうな場所では 隣家や管理人に断りを入れたうえで日中だけの作業とし 専門スキルに特化した業者への依頼が無難でしょう。
その2 不十分な養生による器物損壊

ピアノが設置してある場所は基本的に リビングや小部屋などの居住空間です。 適切かつ充分な養生を施さずに解体作業をするとメチャクチャなります。 まずは傷汚れの困る家具家電や雑貨物は可能なかぎり あらかじめ収納したりほかの部屋へ移したほうが良いでしょう。
そして養生を行っていきますが ピアノ周辺および通路や玄関はもちろん 共同住宅でしたら必要に応じてエレベーターその他の共用部分にも充分な保護が必要です。
どのくらい厳重に施すかについてはケースによりますが 不特定多数の作業員が出入りする建築現場ほどには必要ないかもしれません。ただし 注意点がいくつかあります。
・まず ピアノ周辺の床養生ですが シートや毛布を敷くだけでは不十分です。
ピアノ解体作業時は何度かピアノを移動したり倒して横に寝かせたりする工程がありますが 一般的なアップライトピアノでも重量が200~250kgあります。 インシュレーターなどの土台を外して直に床を転がしたりすると 凹みや引っ掻き傷はもちろん ひどい時は床に穴があきます。
毛布やシートの上にコンパネなどの板材を敷き そのうえで解体するのが望ましいです。
・また 飛散する破片にも気をつけなければなりません。
ピアノ解体時は 気をつけてはいても意図せずビスや部品が飛ぶことがあります。 ピアノから多少離れていても ガラスや襖障子など破損しやすい箇所は 保護材で養生が無難です。
・最後に玄関周辺ですが・・・
団地マンションといえど日本家屋ですので玄関には上り框があります。 ここで靴を脱いだり履いたりするわけですが 大きくて重いピアノの部材を搬出する際 いったん床に置いて靴を履く動作がありますので 上り框の上下ともに 傷がつかないように養生を施すべきです。
また 見落としがちなのが 玄関を外にでた床面のタイルなどです。 重い部材を搬出してホッと油断した拍子に 部品を落としてしまいやすい場所でもあります。 解体したとはいえ数十kgの物を落とせばタイルでも割れます。 高額な貼り換え補修などにならないよう あらかじめ養生しておくに越したことはありません。
その3 不適切な作業方法や工具使用により発生する問題

やはり居住空間の中でピアノ以外を破損汚損しないで解体を行うのは難易度の高い作業です。 あまりに乱暴な作業をすれば ピアノは解体できても部屋が滅茶苦茶 ということになりかねません。
・まずバールや大ハンマーで叩き壊すのは厳禁です。
破片が飛び散りますし 誤って壁床に穴をあけては大変です。 また ピアノ内部に巨大な鉄製のハープが入ってますので どのみちこの方法では最後まで解体できません。
・次に粉塵や火花による問題です。
ピアノ解体前半は取り外しできる部品が多いのですが 作業が進むにつれどうしても 木製部分や金属を切断する必要が出てきます。 すなわち大量の粉塵や火花が発生するわけですが これらに適切に対処するスキルをもっていないと様々な問題に発展する可能性があります。
ひとつ極端な例をあげますが 火花の出る作業をしたせいで作業終了した数時間後 火事になった事例があります。
このような事態を業者が引き起こした場合 さらに悪いことに損害賠償保険が適用されなかったりします。 居住空間内で火花のでるような高負荷作業をした場合は 保険の免責事項になってることが多いのです。 業者の方は特にそれらをふまえ それなりの覚悟と準備をもって臨まないと 色々な意味で大損害になります。
その4 ピアノ解体作業の怪我のリスク

みなさん あまり認識されてないようですが ピアノ解体は運び出しまで含めて危険作業です。
ピアノの構造や解体する順序その他 知識と使用する工具など それなりの準備が必要です。 それが不足していると おもわぬ事故に遭遇し ケースによっては軽い怪我では済まないかもしれません。
気を付けなければならないポイントを何点か述べます。
・失明したくなければ保護メガネ着用は必須
ピアノ解体作業では火花や粉塵はもちろん 細かい破片が飛ぶ場面が意外とあります。 特に後述するピアノ線の切断時などは線が跳ね飛ぶうえ 先端も鋭利です。 ベテランの職人さんほど意外と無頓着だったりしますが 目の事故は取り返しがつかないので 必ず保護ゴーグルなどを着用しましょう。
・ピアノ線とチューニングピンの作業は慎重に
ピアノ線は調整ピンにより高張力で固定されています。 それが全部で二百数十本あり 合計の張力は20トンを超えます。 その力をハープと呼ばれる大きな鋳物の鉄骨で支えている構造です。
ですので いきなり鉄骨を切断すればトンデモナイことになります。 さすがにやる人はいないと信じたいですが(笑
ということで 作業初期にピアノ線を処理するわけですが 不用意にピンを緩めたりすると 弾丸のように弾け飛んでガラスが割れたりします。 なので切断するのが基本ですが こちらも気をつけないと切ったピアノ線があらぬ方向に飛んで 突き刺さったりします。
保護メガネ着用のうえ慎重に進めるべき工程です。
・ピアノは解体してもやっぱり重い

ピアノの部材は分解切断しても数十kgあり 階段を使っての運び出しなどは特に危険です。 踏み外して部材と一緒に転がり落ちたりすればどうなるか・・・想像したくもありません。
また 意外と油断しがちなところとしては ピアノを倒したり部材を移動して重ね置いたりする場面です。 手指を挟むことが おもいのほか多いのです。 枕木を置くなどの手間を惜しむと そうなります。
部材の重さにもよりますが 手袋をしていても普通に骨折します。 私も中指をやってしまい なかなか治らなかった経験があります・・・痛いですよ。
・足の怪我も意外と多い
基本的に居住空間内での作業になりますので靴を脱いだ状態です。 解体したピアノの残材などは釘ビスその他 尖ったものが出ていたりするので 踏み抜くと痛い・・なんてものではありません(笑
上履きを履くか 厚手の靴下を重ねて履くなどの工夫が怪我を防ぎますが 作業場を散らかさず 尖った危険物が転がっていたら 見つけたその場で片づけるなどの習慣もまた とても大事です。
業者が作業終了して帰宅後に お子さんが尖った金属片を踏んで怪我をした などの事例もあります。

以上おもいつくままに述べてきましたが まだ書ききれなかったことも多くあります。
ピアノ解体撤去を団地マンション内の居住空間で行うのは かなり特殊で難易度の高い作業になりますので ご自分で行うにしろ 業者に依頼するにしろ 最低限の知識が必須です。
実際 作業を行う方の怪我防止はもちろん 作業後の住民のトラブルなどにも留意すべきでしょう。
上記をすべて理解し 作業レベルまで落とし込んで実践している業者は 見つけるのがかなり困難ですが ここまでお読みくださった皆様でしたら大丈夫です。
最後までお付き合いくださり有難うございました。また次の記事でお会いしましょう。